遠藤照明

「くらしとあかり」プロジェクト

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第1回:トラフ×村角千亜希 2007年11月 第2回:井上搖子×角舘政英 2008年2月 第3回:ヨコミゾマコト×松下美紀 2008年5月 第4回:藤本壮介×石田聖次 2008年8月 第5回:棚瀬純孝×中島龍興 2008年11月 第6回:乾久美子×伊藤達男 2009年2月 石田聖次 伊藤達男 角舘政英 中島龍興 松下美紀 村角千亜季 乾久美子 井上搖子 棚瀬純孝 トラフ 藤本壮介 ヨコミゾマコト

真壁
 ではここで、今回協力していただいたダイア蛍光さんにコメントをお願いいたします。


宮ア
 皆さん、こんばんは。ダイア蛍光の宮アです。今回このように私どもの照明器具をご利用いただきましてありがとうございます。

 普通私どもは施設照明ということで、商品をいかにきれいに照らすかということを考えながら照明器具をつくっています。対象物を美しく見せる。もちろんそういう話です。今回は、全く逆の発想で一番最初に見たときに、砂漠もしくは雲の上という感じでいいなと思いました。光だけではなくて、やはり影が形をつくる。さっきおっしゃられたように、光だけで物を判断させるとか、影によって空想させるとか。

 関係ない話かもしれませんが、私、田舎が奈良でありまして生駒という山があるんです。夜になるとどこも真っ暗なんですが、生駒の山の上の雲は、大阪市内のあかりに照らされているんです。まだ学生で学校と家の往復だけで、あの山の向こうにどんなおもしろいことがあるんやろうと思っていました。真っ暗で星だけしか見えない、そういう光景が思い出されました。本当に改めて我ながら、この会社で働けてよかったなと感じました。(笑)


真壁
 5000ケルビンの光はどうでしたか。


宮ア
 色温度に関しましては、人の感性もあると思うのですが、先ほどヨコミゾさんもおっしゃっていたんですけれども、例えば夜、電車から眺めていると、マンションの光も、電球色、昼光色、昼白色、人がそれぞれ過ごしやすい色を選ぶという、そういう環境になっています。僕も隅に手元照明を置いて暮らしていたんですけれども、電球色が傍にあるだけで、何かリラックスできて、落ち着く。逆に仕事場に電球色があったら怠けてしまいます。集中力ももちろんなくなるでしょう。僕は個人的に昼光色の6500ケルビンが清浄な感じがして好きなんですけれども、これも人によっては寒々しく感じるでしょう。人それぞれ皆さん好きな色というのがあるんじゃないかと思うんですけれども、今回これは本当に5000ケルビンで正解だと思います。


真壁
 どうもありがとうございます。


松下
 おおよそ100本ぐらい使いましたね。ご協力ありがとうございました。私も今回気づいたことがあります。先ほど申し上げたとおり通常は、下から照らす光というのは日常の自然光には存在しません。だからこそライトアップや樹木を下から照らすときに非日常的に感じて私たちは感動するんですね。日常に存在しない光だから感動もできるんですが、今回はそのライトアップのようなぴしっと差す光ではなくて、ふわっとグラデーションで照らし上げるということで、皆さんの印象もそれぞれだったと思うのです。1時間、1時間半、2時間と長時間いればまた印象も変わってくるし、居心地もいいし、穏やかな気持ちにもなる。ライティングが軽くて、一人一人が違う印象を持てたんじゃないかと気付いたのです。


 昔は、低いところにろうそくの光があって、その光が畳を照らして、その照らされた光で生活をしていたんですね。天井は黒く塗ったりしていて、ほとんど真っ暗でした。戦後は天井にあかりをつけて、明るくムラのない空間が当たり前のような暮らしぶりになってしまいました。今回「くらしとあかり」というテーマの中で光のボリューム感だとかポジションが、何か新しいきっかけになったかなと思っているのです。