遠藤照明

「くらしとあかり」プロジェクト

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第1回:トラフ×村角千亜希 2007年11月 第2回:井上搖子×角舘政英 2008年2月 第3回:ヨコミゾマコト×松下美紀 2008年5月 第4回:藤本壮介×石田聖次 2008年8月 第5回:棚瀬純孝×中島龍興 2008年11月 第6回:乾久美子×伊藤達男 2009年2月 石田聖次 伊藤達男 角舘政英 中島龍興 松下美紀 村角千亜季 乾久美子 井上搖子 棚瀬純孝 トラフ 藤本壮介 ヨコミゾマコト

事務局
 皆さんこんばんは。今日は「くらしとあかり」第3回エキシビションのシンポジウムにお集まりいただきまして、ありがとうございます。本日は建築家のヨコミゾマコトさん、照明家の松下美紀さんをお迎えして、お話をしていただこうと思います。ではヨコミゾさん、松下さん、この企画のプロデュースをしていただいてます真壁さん、よろしくお願いします。(拍手)

真壁
 今ご紹介いただきましたように、第3回目の「くらしとあかり」エキシビションということで、今回開催いたしました。ご承知のように、あかりも含めて、アースコンシャスなものというのはこれから急展開を見せると思います。この「くらしとあかり」プロジェクトは、そうした背景を踏まえて、「くらしとあかり」の形を、建築家と照明家のコラボレーションによって提案していこう。そういう趣旨でやって参りました。


 今回は、光の質と量についての実験の場としています。皆さんもいろんなイメージ、考えをお持ちだろうと思いますので、今日はその「くらしとあかり」の可能性について、ディスカッションができればと思います。


 ではまず最初にヨコミゾさんから、これまでに手がけられた光の展覧会についてご紹介いただきます。よろしくお願いいたします。


ヨコミゾさんより紹介された展覧会

■アートイング東京2001
(2001年9月15日〜10月5日 旧新宿区立牛込原町小学校にて開催)
■昼下がりの収蔵作品展
(2002年2月9日〜2月24日 目黒区美術館にて開催)

<中略>
音声の録音状態が悪いため、割愛させていただきます。
大変申し訳ございません。


松下
 この「くらしとあかり」のエキシビションではいろんなテーマが出てきていて、そのテーマの中の一つが、「アースコンシャスな光を表現するためにどのような影を創れるか」ということに最大の力を注いできたような気がします。私自身の光のあり方というのがこの一つの詩にあらわれています。「ろうそくは四周を照らしているのではない。己を燃焼させているだけなのだ。そのことが廻りを照らしたり、暖めているのだ」と。私自身の照明デザインのコンセプトはろうそくのようでありたいと、ずっと思っていました。お手本になるのは、やはり自然なのです。太陽は地表から昇って地上におりていく。その中で、さまざまな色や強さを変えて私たちの空間の中に光というものを存在させている。

 会場の前に写真があったと思うのですが、今回のエキシビションに関して、習作としていろいろな写真を選ばせていただきました。地上に昇った太陽が直接照らしているのは、実は私たちではない。これは砂漠の写真ですが、砂に光が反射したものが拡散して人を照らしている空気がありますね。この砂漠の写真はモノトーンの世界ですが、実は私たちが感じている光と影は強いコントラストではなくて、白から黒へと細かく細分化された光のグラデーション。そして、それが反射することによって私どもはものを認識し、地上の空気を感じていると思います。

 これは雲海の写真ですね。手前には積雪があります。すごく強い光ですが、それを一度反射させた光が私たちの空間の世界でいろんなイメージを創っています。これはキャラバンの通る砂漠です。これも同じです。私たちは日常を造られた建築の都市の中にいて、自然光のシーンというのを忘れているような気がしませんか。皆さんは既にエキシビションをごらんになっているので、私が何を言いたいか、何となくおわかりいただけるかと思うんですけれども、直接、上から照らされる自然の光を全く除いたときに、私たちの普段のくらしの中にそれがどういうふうに取り入れられているのか、そして皆さんがどんな印象を受けるのかということを考えながら、今回、照明デザインというものをさせていただいた訳です。


 光というのは大変おもしろいものです。形がないので何か対になるものがあって初めてその形を理解したり認識することができます。よく五感にやさしいという言葉が使われますけど、形に見えないものの一つに音楽がありますね。見えないから光と音はすごくリンクしやすい。今回このエキシビションのためにBGMを作曲家に頼んでつくっていただきました。細かな波の音に添ったやわからな空間をイメージする音楽をエキシビションに組み合わせました。また、皆さんがこのシンポジウムの会場に来てくださったときにどういう印象を持っていただけるかということで、ティファニーというブランドのティファニーブルーというカラーがありますが、できるだけ近い光をつくり、その曲と合わせて、皆さんがお酒を飲みながら私どもの話をイメージしやすい空間にしてみました。


 今日はこれから先どんな光が必要になるのかというお話をしたいと思い、このお話をまず最初にさせていただきました。


真壁
 どうもありがとうございました。ここからはエキシビションの経緯、あるいは基本的な実験に隠された話をしてゆきましょう。
 なお、今日は、シームレスランプを協賛してくださったダイア蛍光の宮アさんに、後ほどコメンテートをお願いしたいと思います。他に、布の丸十さんなどいろんな方の協力を得てエキシビションを実現したことをとても感謝しております。それではヨコミゾさん、エキシビションの経緯について少しお話しいただけますか。